配偶者と当事者同士の話し合いで離婚協議を進めていこうと思っていたのに、相手方に弁護士がついてしまった。このような場合、その後の離婚協議はどう進めるのがよいでしょうか。今回は、離婚協議で相手方に弁護士がついた場合の対応について解説します。
相手に弁護士がついた時に注意すべきこと
配偶者との離婚協議を進めて行く中で、相手側に弁護士がついた場合はどう対処すべきなのでしょうか。まず、法律の専門家である弁護士に対して、ご自身だけの力で対応しようとするのはやめましょう。
ほとんどの方にとって離婚は初めての経験であり、離婚のために何をすればいいか分からないことだらけという状況かと思います。対して、弁護士の場合は、離婚協議が初めてということはなく、人によっては何百件もの離婚相談を手掛けてきた専門家である場合もあります。
そんな弁護士とご自身で話し合いを進めても、離婚交渉のプロである弁護士によって相手側に圧倒的に有利な条件で進められてしまうリスクがあります。そのため、相手に弁護士がついた時には、ご自身も必ず弁護士をつけるべきです。
こちらも弁護士をつけるべき理由
次に、弁護士をつけるべき理由についてもう少し詳しく説明していきます。
①法的知識と経験に基づく交渉力
専門家である弁護士と一般的な方とでは、交渉力に圧倒的な差があります。交渉において有利に交渉を進めるためには、自身の主張が正しいといえる根拠が重要となります。そのためには、法的な知識はもちろん、過去の離婚裁判の経験や判例に基づいた主張を展開していくことが望ましいです。相手方の弁護士がそのような主張をしてきた時に、弁護士なしで議論に打ち勝つということは不可能に近いでしょう。
②調停離婚で有利に
また、調停離婚で裁判所で話し合うことになった場合、調停委員に対して夫婦双方の意見を伝えることになります。その際に、弁護士の助言に基づいて書面等にまとめられた意見が提出されれば、そちらの方が重視されることになります。従って、相手方にしか弁護士が付いていないと、ご自身に不利になってしまいますので、話し合いを対等に行うためには、ご自身も弁護士をつけることが必要といえます。
③離婚条件の協議も有利に
財産分与や慰謝料、養育費などお金に関する条件はもちろん、親権をどちらが持つかどの離婚条件の協議についても、少しでも自分に有利に進めたいところかと思います。財産分与については、相手の財産を正確に把握する必要がありますし、特有財産(共有財産とならず財産分与の算定から外れる財産)の検討も必要になります。慰謝料についても、相場や正当性を主張するためには、過去の判例や実績に基づく専門的な知識が求められます。こうしたお金に関する条件の根拠をご自身で調べるには限界もあり、時間や労力がかかるので、弁護士の助言を聞きながら進めるのがよいでしょう。
親権についても、「共同親権」を柱とした民法の改正を控えており、専門的な判断が求められてきます。
離婚の弁護士を選ぶ時のポイント
離婚時に依頼する弁護士を選ぶ際に気をつけるべきポイントは、以下の通りです。
①離婚の専門サイトを持っている弁護士を選ぶ
離婚について弁護士への依頼を検討する際には、離婚を専門に扱っている弁護士に依頼することが賢明といえます。
専門的に扱っているかどうかの判断基準の1つとして、事務所をホームページを確認するとよいです。その弁護士事務所が、離婚についての相談や解決事例を載せた離婚専門サイトを持っていると、専門性を判断する上で有効です。
サイトを見て、ご自身の悩みと似た状況の解決事例があれば、離婚に向けて参考になるアドバイスや離婚条件を有利に進めるための術を持った弁護士がいる可能性が高く、頼りにできるでしょう。
②紹介された弁護士だからといって安易に選ばない
家族や知人に紹介された弁護士だからといって安易に選ぶことはおすすめできません。その弁護士の専門分野が何なのか、しっかりと調べた上で離婚を専門に扱う弁護士に依頼をすべきでしょう。
③近所の事務所だからといって安易に選ばない
場所が近いという安心感から頼りたくなるお気持ちはわかりますが、やはりその弁護士の専門分野が何なのか、しっかりと調べましょう。まずは、その事務所のホームページを確認してみましょう。
経験豊富な弁護士に相談を
いかがでしたでしょうか。離婚を進めている相手が弁護士をつけた場合、まず第一に落ち着いてその後の対応を考える必要があるといえます。
その際、離婚交渉のプロである弁護士に対して、自力で話し合うことは、不利な条件で離婚を進められてしまうリスクがあるため、ご自身も弁護士をつけるべきです。
弁護士選びでは、離婚問題に精通した弁護士に依頼することが解決の近道です。
当事務所には、離婚問題の豊富な解決実績のある離婚弁護士が所属しており、離婚を進める上で必要なアドバイスとサポートを提供いたします。
離婚についてお悩みの方の力になりますので、ご相談をお待ちしております。